“質の高い教育”の新スタンダード、生徒にも教員にも嬉しいデジタル学習プラットフォーム「Kahoot!」
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世界200ヶ国以上で累計110億⼈(リピートユーザー数含めて)が利⽤するデジタル学習プラットフォーム「Kahoot!」(カフート)が、⽇本におけるユーザーの増加とさらなる事業拡⼤に向けて東京に新オフィスを設⽴しました。
すでに⽇本の教育現場でも多く活用されている「Kahoot!」の魅力はなんなのか、現在の教育シーンの課題と合わせて見ていきましょう。
世界中で愛される、今求められる学習ツール「Kahoot!」


2013年に誕生したKahoot!は、世界200ヶ国以上でリピートユーザー数を含めた累計110億⼈(リピートユーザー数含めて)以上の参加者を記録しているデジタル学習プラットフォーム。
Kahoot!グループの本社はノルウェー・オスロにあり、日本以外では⽶国、英国、フランス、フィンランド、エストニア 、デンマーク、スペイン、ポーランドにオフィスを展開しています。
Kahoot!は、2021年に⽇本向けのウェブプラットフォームとモバイルアプリのローカライズを発表して以来、日本国内でも需要が急増しており、過去1年間のKahoot!ゲームのプレイ数は1,000万回以上、そのうち700万回は学⽣や教師によるもので、学校を中心に、職場、家庭、社交の場で6,000万⼈以上の参加者に楽しい学びの体験を提供しています。
昨今の教育シーンにおける課題
今、教育のシーンで課題となっているのは、生徒は全体の3分の1が学ぶ楽しみを見つけられずやる気を欠いてしまっていること、そして教師は仕事量が多く、それを管理しきれていないことです。(Kahoot! 学習習慣スナップショット、EDWEEKリサーチセンター調べ)


まさにその問題を解決するのが、学校向けの指導、学習、復習、評価ツールキットである「KAHOOT! EDU」。Kahoot! は、ゲーム化された学習体験により生徒の関心を最大限に高め、インタラクティブな授業を作ることができます。また授業後も、教師は生徒のペースに合わせた課題を割り当てることができ、生徒のやる気を損ねることなく楽しい学習の機会を提供することが可能です。Kahoot! で課題にアクセスすることで、生徒の創造性、調査能力、協調性、プレゼンテーションスキルが向上します。学びを深めることはもちろん、リアルタイムで理解度チェックや形成的評価を行うこともできます。
文部科学省が推進する教育改革の一つ、GIGAスクール構想=「Global and Innovation Gateway for All(すべての児童生徒に革新的な教育を届けるための国際的な入り口)」でも、生徒一人に対し1台の端末と高速なネットワーク環境を整備し、個別に最適化された学びを実現することが掲げられて久しく、現在はGIGAスクール構想第2期として、教員のICT活用能力の向上や、校務のDXが推進されています。
教育現場でのKahoot!の活用はこの計画にも一致しており、これからますます広がっていくと考えられるでしょう。
楽しく学べるからこそ成果に繋がる
ここまで知ったところで、そうは言っても本当にデジタルツールできちんと学習できるのか、ゲームのようなものではないのか、と疑問に思う方もいるかもしれません。実はKahoot! を教室で使用することが、生徒のやる気を引き出し、全体的な学業成績向上にもつながることは、学術研究によって示されています。
2024年2月に発表された、初等教育、中等教育、高等教育にわたる独立した査読済み研究メタ分析の結果、Kahoot! は生徒学習成果を標準偏差 0.72に向上させました。実際的に言えば、この改善は一般的なテスト成績を1段階上げることに相当するといいます。(国際教育義塾インパクトセンター、WiKIT調べ)
同じく2024年、日本で行われた研究で、「Kahoot! が日本の大学生の学術的語彙習得や学習プロセス認識に与える影響」が調査されました。この結果、学生の類義語テストスコアは26%向上したことが示され、ほとんどの学生が読み書き、話すスキルの改善を報告しています。研究の中では、語彙習得を強化し、より良い学習成果を得るために、Kahoot! を英語教育に取り入れるべきであるとも示唆されています。
日本での研究は Kahoot! 活用に関する世界的な研究と一致しており、Kahoot! が語彙学習など新しい事実を学ぶ意欲を学生に与えるという点で、学習プロセスにプラス影響を与えることが明らかになっています。 研究は、問題内容の作成には教師や専門家の関与が重要であり、スピードよりも回答の正確性に焦点を当てるべきであることも強調しています。(地域報告書 2024年調べ)
小学校教師の浅村芳枝氏は「Kahoot! を通じて、子どもたちは楽しみながら学ぶことができます。 楽しいからこそ、子どもたち自らもっと学びたくなるのです。 また、学習しながら友だちと協力することもできます。」と述べています。これこそがまさに、「これからの質の高い教育」だと言えるかもしれません。


Z世代を対象とした人気学習ブランドのランキングでも、Kahoot!は西ヨーロッパで2位、北アメリカで7位と上位になっており、子供たちから愛されていることがわかります。またKahoot!はプロモーションのために、大きな費用をかけることはしていないといいます。
最高ソリューション責任者のショーン・ダーシー氏も、Kahoot!について、「意図的に楽しいものにしている」と語っています。楽しければ学ぶ気持ちが沸きます。ゲームのようにすることで、ストレスなく、安心して、オープンマインドで、リラックスした状態で学ぶことができるのです。これが結果として、学生たちの学力をあげているのではないでしょうか。
SDGsの目標4にある、「質の高い教育をみんなに」。これからのこどもたちには、楽しく学べる、Kahoot!のような学習ツールがとても重要なものだとわかりましたね。


Kahoot!は、サンリオキャラクターズとのコラボをはじめたほか、国内でも珍しいアイヌ語を学べるモードなども搭載しており、今後日本でのサービスをさらに拡大していきます。これからKahoot!がどんな風に日本の、世界の教育を変えていくのか、一緒に注目していきましょう。
執筆/フリーライター Yuki Katagiri